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色のデジタル表現

指導者向けの公開補足

学習本文に加えて、指導の視点・背景・授業での確かめ方を示します。どなたでも読めます。

指導の焦点

RGBとCMYを、単に色の三つ組として暗記させず、光を加える場合と、光を吸収する材料を重ねる場合の違いにつなげる。

一歩踏み込んだ背景

各色8ビットのRGBなら約1,677万通りの組合せがあるが、人がそのすべてを区別できることや、どの機器でも同じ色になることを意味しない。

授業での確かめ方

色だけで正誤を示す表を、文字や記号も使う表へ改めさせる。色の表現方式の理解と、読み手に届く設計を結びつけて評価する。

制度・規格等は本文末尾の参考資料も確認してください。

この単元でできるようになること

Section titled “この単元でできるようになること”
  • 光の混色と、インクなどによる混色の違いを説明できる。
  • RGB各八ビットの場合の階調と組合せ数を求められる。
  • 色だけに依存しない表示方法を提案できる。

光を足す色と、光を吸収する色

Section titled “光を足す色と、光を吸収する色”

画面は、赤・緑・青の光を組み合わせて色を表す。これをRGBと呼び、光を加えるほど明るくなる加法混色を用いる。全ての光がない状態は黒で、三つを適切に強く合わせると白になる。

紙の印刷では、照明の光の一部をインクが吸収し、残った光を目で見る。基本となるシアン・マゼンタ・イエローをCMYと呼び、重ねるほど光を減らす減法混色で説明できる。実際の印刷では黒を加えたCMYKがよく使われる。理想的な色の説明と、実物のインクの性質は完全には同じでない。

ここではRGBの各成分を八ビットで表すとする。一成分は二百五十六段階で、整数の0から255を使う。三成分の組合せは256 × 256 × 256 = 16777216通りになる。

RGBの値 このモデルでの意味
0, 0, 0 三成分が全て最小で、黒
255, 255, 255 三成分が全て最大で、白
128, 128, 128 三成分の値が等しい灰色
32, 96, 160 青の値が相対的に大きい色

階調は、明るさや色の強さを何段階で表すかということだ。八ビットなら最大値は256ではなく255になる。0も一段階として数えるからだ。また、値が半分だから人が感じる明るさも正確に半分、とは限らない。

ウェブなどでは、RGBの各成分を16進数二桁ずつ並べて表すことがある。例えば「#2060A0」は、20、60、A0の三組に分ける。10進数にすると順に32、96、160なので、表の最後の色に対応する。

二桁の16進数は八ビットに相当し、三組で二十四ビットになる。ただし、透明度を別に含める形式もある。色の値に、透明度や色空間などの情報をどう添えるかによって、同じ見かけの指定でも扱いが変わる場合がある。

同じ指定でも、同じ見え方とは限らない

Section titled “同じ指定でも、同じ見え方とは限らない”

画面の明るさ、機種、周囲の照明、紙やインクによって色は変わる。RGBやCMYKは色の表し方を示すが、具体的な色空間や機器の条件まで同じとは限らない。画面が表せる色を、印刷が全て再現できるわけでもない。

重要な印刷物は、試し刷りで確かめる。画面だけで決めた薄い灰色の文字は、紙では読みにくくなるかもしれない。写真の色を調整する際も、実物との違いや加工の目的を考え、観察結果を誤解させる変更は避ける。

色を、唯一の手掛かりにしない

Section titled “色を、唯一の手掛かりにしない”

色の見え方には個人差がある。「赤が予約済み、緑が空き」だけでは区別が難しい人がいる。架空の貸出一覧なら、色に加えて「予約済」「貸出可」の文字や、異なる記号を使う方法がある。白黒印刷や暗い画面でも判別できるかを試す。

強調色を増やしすぎると、どこが重要かわからなくなる。背景と文字の明暗差、文字の大きさ、表示する場所も一緒に調整する。見た目の好みだけでなく、必要な情報を読めるか、誤操作しないかを確認する。

用語 意味
RGB 赤・緑・青の光の成分による表現
CMY シアン・マゼンタ・イエローによる表現
階調 値を表す明るさや強さの段階
色空間 色を一定の規則で数値として扱うための範囲や体系
  1. RGB各四ビットなら、一成分の段階数と全体の組合せ数はいくつか求めよう。
  2. 「#4080C0」をRGB三成分の10進数に直し、どの成分が最も大きいか説明しよう。
  3. 色分けした貸出表を白黒で配布する。どんな情報を加えるとよいか提案しよう。
問1の解答例を見る

一成分は2の4乗=16段階。RGB全体では16×16×16=4096通りとなる。

問2の解答例を見る

R=64、G=128、B=192。16進数の40、80、C0をそれぞれ十進数に直すとこの値になり、B成分が最も大きい。

問3の解答例を見る

分類名や記号、異なる模様などを併記する。たとえば「貸出中」「返却済」の文字や丸・三角を加え、白黒でも分類を読み取れるようにする。

画面は主に光を足して、印刷は光を吸収して色を表す。階調と色数を区別し、機器や環境、人による見え方の差を考えて、色以外の手掛かりも用意しよう。