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動画のしくみとデータ量

指導者向けの公開補足

学習本文に加えて、指導の視点・背景・授業での確かめ方を示します。どなたでも読めます。

指導の焦点

フレームレート、画素数、色の深さを別々の軸で整理する。フレームレートを上げることを、静止画の精細さの向上と混同しない。

一歩踏み込んだ背景

静止画の量×フレーム数による計算は非圧縮の単純なモデルである。実際の動画では圧縮や音声などが関係し、同じ設定でも内容でサイズが変わる。

授業での確かめ方

同じ動きを少ないコマと多いコマで描き、何が失われるか比較する。送信速度の制約も加えて、画質・動き・待ち時間の優先順位を説明させる。

制度・規格等は本文末尾の参考資料も確認してください。

この単元でできるようになること

Section titled “この単元でできるようになること”
  • フレームとフレームレートの意味を説明できる。
  • 非圧縮動画の画像部分のデータ量を求められる。
  • 動画の内容と配信条件から、品質や字幕の必要性を判断できる。

静止画の系列として動きを表す

Section titled “静止画の系列として動きを表す”

動画を構成する一枚一枚の画像をフレームという。一秒間に表示するフレーム数がフレームレートで、fpsという単位を使う。例えば24 fpsなら、一秒あたり二十四枚のフレームに相当する。

同じ十秒でも、24 fpsなら二百四十フレーム、30 fpsなら三百フレームとなる。フレーム数を増やすと動きを細かい時刻で表しやすくなるが、それだけで画面の細部が鮮明になるわけではない。横と縦の画素数、撮影時のぶれ、圧縮の程度も関わる。

架空の工作手順動画の容量を見積もる

Section titled “架空の工作手順動画の容量を見積もる”

次の条件で、全てのフレームを圧縮せず保存するとする。音声、ヘッダー、透明度などは含めない。

条件 設定
一フレームの画素数 横320 × 縦180
一画素の色深度 24 bit = 3 B
フレームレート 20 fps
長さ 15秒

一フレームは320 × 180 × 3 = 172800 B。全体は二十枚を十五秒分なので三百フレームとなり、172800 × 300 = 51840000 B、十進接頭語で51.84 MBになる。

横と縦をそれぞれ二倍にすれば一フレームの画素数は四倍になる。さらにフレームレートも二倍なら、同じ長さで画像部分の容量は八倍だ。どの設定を変えたのか、一つずつ倍率を確認する。

圧縮後は、ビットレートから考える

Section titled “圧縮後は、ビットレートから考える”

通常の動画では圧縮を使うため、非圧縮の式でファイル容量を直接求めることはできない。圧縮されたデータが一秒あたり何ビットあるかをビットレートという。映像と音声などを合わせた平均が2 Mbit/sで十五秒なら、2 × 15 = 30 Mbit、八で割って約3.75 MBと見積もれる。

ここではMを百万とし、平均値を使った。映像だけのビットレートなら音声分を足す必要があり、管理情報も加わる。可変ビットレートでは場面によって量が変わるため、一瞬の値をそのまま全時間に掛けない。

コーデックと入れ物を区別する

Section titled “コーデックと入れ物を区別する”

動画や音声を圧縮・復号する方式をコーデックと呼ぶ。映像、音声、字幕などをまとめるファイルの入れ物はコンテナーだ。同じ拡張子でも、中に使われる方式が違えば再生できない場合がある。

圧縮は、画像内の似た部分だけでなく、前後のフレームの変化を利用することもある。動きが速い場面や細かな模様の多い場面は、同じ容量では画質を保ちにくいことがある。ファイル名や拡張子だけで品質を判断しない。

撮影の前に、伝える順番を作る

Section titled “撮影の前に、伝える順番を作る”

工作の説明なら、完成形、材料、危険な操作、手順の順に何を見せるかを考える。手元が隠れない位置で撮り、細部は静止画や拡大図で補う。画素数を増やすより、構図を変えた方が伝わる場合もある。

音を出せない場所や、音声を聞き取りにくい人のために字幕を用意する。速く切り替わる字幕では読めないので、表示時間を試す。点滅や激しい動きにも配慮し、肖像、音楽、背景の個人情報の公開条件も確認する。

用語 意味
フレーム 動画を構成する一枚の画像
fps 一秒あたりのフレーム数
ビットレート 一秒あたりに扱うデータのビット数
コーデック 映像や音声などの符号化・復号の方式
  1. 25 fpsの十二秒の動画は何フレームか求めよう。
  2. 平均の総ビットレートが4 Mbit/sの二十秒の動画について、容量を十進のMBで見積もろう。
  3. 手元の操作が見えにくい説明動画を、画素数を変えずに改善する方法を三つ提案しよう。
問1の解答例を見る

300フレーム。25フレーム/s×12 s=300となる。

問2の解答例を見る

10 MB。4 Mbit/s×20 s=80 Mbit、8で割ると10 MBとなる。ここではMを十進の100万として計算している。

問3の解答例を見る

手元を大きく写す構図にする、照明や背景を改善する、操作をゆっくり行い重要な場面で止める。字幕や指示マークを加える方法もある。

動画はフレームの系列で、容量には画素数、色深度、時間、フレームレートが関わる。圧縮後はビットレートや方式も確認し、伝えたい内容に合う撮影と字幕を設計する。