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伝わる情報デザイン

指導者向けの公開補足

学習本文に加えて、指導の視点・背景・授業での確かめ方を示します。どなたでも読めます。

指導の焦点

見た目を整える前に、誰が何を判断するための情報かを決める。文字の大小や余白に、情報の優先順位を反映させる。

一歩踏み込んだ背景

装飾を減らせば常に伝わるわけではない。まとまり、対比、一貫性などの手がかりを、利用者の課題と実際の読み取り結果に照らして評価する。

授業での確かめ方

校内行事の案内を作り、別の生徒に日時・場所・申込方法を探してもらう。「きれい」という感想だけでなく、探す時間や読み違いを改善の根拠にする。

制度・規格等は本文末尾の参考資料も確認してください。

この単元でできるようになること

Section titled “この単元でできるようになること”
  • 伝える目的と相手に合わせた情報の選び方を説明できる。
  • 抽象化、構造化、可視化を具体例で説明できる。
  • 作成した案内の確かめ方を提案できる。

作り始める前に、してほしい行動を決める

Section titled “作り始める前に、してほしい行動を決める”

文化祭で「初めて来た人が、受付から展示室にたどり着く」ための案内を作るとする。この目的なら、必要なのは会場名、場所、曲がる場所などだ。

学校の歴史を長く載せても、道順はわかりやすくならない。相手が何を知り、何をできればよいかから考える。

見方 すること 案内での例
抽象化 目的に必要な特徴を取り出す 校舎の絵から窓の模様を省き、通路と部屋を残す
構造化 情報のまとまりや関係を整理する 受付、移動、到着の順に分ける
可視化 見て捉えやすい形にする 曲がる場所を矢印で示す

三つは完全に独立した作業ではない。地図を作りながら、不要な情報を省き、順番を整理し直すこともある。

たとえば「展示は2階で、受付をしてから右の階段を上がり、教室は204で、受付は昇降口」という一文を、そのまま目立たせても読み取りにくい。

目的の順番に分けると、行動を選びやすくなる。

  1. 受付:昇降口
  2. 移動:受付の右にある階段で2階へ
  3. 展示室:204教室

これは階段を利用できる人向けの案内だ。階段を使えない人の経路が必要なら、実際の設備を確かめて別の案内を用意する。存在しない経路を、想像で書き足してはいけない。

「赤の線を進んでください」だけでは、色を見分けにくい場合や、白黒で印刷した場合に困る。色に加えて、「Aルート」という文字や線の形でも区別する。

作った人は、場所も手順もすでに知っている。そこで、初めて見る人に使ってもらい、迷う場所を観察する。

「わかりやすかった?」だけでなく、「どこが受付だと思ったか」「次にどちらへ進んだか」を確かめる。目的に対して評価し、改善後にもう一度試す。

用語 意味
情報デザイン 目的に合うように、情報の選び方や表し方を工夫すること
抽象化 目的に必要な特徴を取り出すこと
構造化 まとまりや関係がわかるように整理すること
可視化 見て捉えやすい形に表すこと
  1. 初めて来る保護者と、毎日通う生徒では、案内に必要な情報がどう違うか。
  2. 色だけで分類した時間割を改善する案を二つ挙げよう。
  3. 展示室の案内が目的を達成したか、どのように確かめるか。
問1の解答例を見る

初めて来る保護者には入口・受付・目印・経路などの説明が必要になる。毎日通う生徒には、通常と違う場所や変更点を優先して示す。利用者の前提知識に合わせて情報を選ぶ。

問2の解答例を見る

教科名や分類名を文字で併記する。さらに、記号や模様、配置なども使い、色を区別しなくても必要な内容を読み取れるようにする。

問3の解答例を見る

初めての人に実際に目的の展示へ向かってもらい、迷う場所・所要時間・質問した回数などを記録する。改善前後を同じ条件で比較する。