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IPアドレスとドメイン名

指導者向けの公開補足

学習本文に加えて、指導の視点・背景・授業での確かめ方を示します。どなたでも読めます。

指導の焦点

ドメイン名をIPアドレスの単なる永久の別名として説明しない。名前解決、通信の宛先、WebのURLを段階に分ける。

一歩踏み込んだ背景

一つの名前に複数のIPアドレスが対応したり、一つのIPアドレスで複数のWebサイトを提供したりする。DNSの応答はキャッシュされるため、変更が即座に全端末へ反映されるとは限らない。

授業での確かめ方

自作DNS図を使い、名前を調べる通信と、その後のWebアクセスを区別させる。実在する他者のサービスへ大量の照会を送る活動は避ける。

制度・規格等は本文末尾の参考資料も確認してください。

この単元でできるようになること

Section titled “この単元でできるようになること”
  • IPアドレスとドメイン名の役割の違いを説明できる。
  • IPv4とIPv6のアドレス長の違いを説明できる。
  • DNSで名前を調べる通信と、Webサーバへの通信を区別できる。

通信には、宛先を示す情報がいる

Section titled “通信には、宛先を示す情報がいる”

荷物を送るなら、宛先が必要だ。ネットワークを通してデータを送るときも、届け先を判断するための情報がいる。

そのために使うのがIPアドレスだ。ネットワークに接続する部分であるインターフェースに設定され、通信の宛先や送信元を表す。

最初は「通信のための住所のようなもの」と考えてよい。ただし、住所のたとえだけで全てを説明できるわけではない。一つの機器が複数のIPアドレスを使うこともあるし、設定が変わることもある。

IPv4とIPv6:名前の違いではなく、規格の違い

Section titled “IPv4とIPv6:名前の違いではなく、規格の違い”

IPには複数の規格がある。ここではIPv4とIPv6を比べる。

IPv4 IPv6
アドレスの長さ 32ビット 128ビット
表記の例 192.0.2.80 2001:db8::80
よく使う書き方 8ビットごとの値を10進数で書き、ピリオドで区切る 16進数を使い、コロンで区切る。決まりに従って0を省略できる

IPv4の各区切りの値は0〜255だ。IPv6ではアドレスの長さが増え、表せる組合せの数も大きく増える。

ここで示したのは文書・教材用に予約されたアドレスだ。実際に接続して確かめるための宛先ではない。

人には、番号より名前のほうが扱いやすい

Section titled “人には、番号より名前のほうが扱いやすい”

通信相手のIPアドレスを、毎回覚えるのは大変だ。そこで、www.example.com のような名前を使う。これがドメイン名だ。

ドメイン名は、ドットで区切られた階層をもつ名前だ。例の名前では、com、example、www の順に、より具体的な範囲を表す。

ドメイン名とIPアドレスは、一対一に固定された関係ではない。 一つの名前に複数のIPアドレスが対応する場合や、複数の名前が同じIPアドレスに対応する場合がある。

DNS:名前に対応する情報を調べるしくみ

Section titled “DNS:名前に対応する情報を調べるしくみ”

**DNS(Domain Name System)**は、ドメイン名に対応する情報を調べるためのしくみだ。IPアドレスを調べることは、その代表的な使い方になる。

名前から必要な情報を調べることを名前解決という。端末は設定されたDNSの問い合わせ先を使う。問い合わせ先では、保存済みの情報を使ったり、他のDNSサーバへ問い合わせたりして結果を得る。

名前を調べる通信と、ページを受け取る通信は別
  1. 1
    端末 → DNSの問い合わせ先

    「www.example.com に対応するIPアドレスは?」

  2. 2
    DNSの問い合わせ先 → 端末

    必要な問い合わせを行い、結果を返す。例:192.0.2.80

  3. 3
    端末 → Webサーバ

    調べたIPアドレスを使って接続し、ページを要求する。

  4. 4
    Webサーバ → 端末

    要求されたページのデータを返す。

最初の理解のための簡略図。キャッシュや通信の暗号化、複数のDNSサーバへの問い合わせは省略している。

この図では、www.example.com に 192.0.2.80 が対応するという架空の設定を使っている。実際のDNS登録を示したものではない。

毎回、全てを問い合わせるわけではない

Section titled “毎回、全てを問い合わせるわけではない”

以前に調べた結果を、決められた期間だけ保存して再利用することがある。この保存をキャッシュという。

そのため、ページを開くたびに、図の問い合わせが全て同じ形で起こるとは限らない。DNSは、一つの大きな一覧表を一台のサーバだけが管理するしくみでもない。

用語 意味
IPアドレス IPで通信する際に、宛先や送信元を表すアドレス
ドメイン名 階層のある、人が扱いやすい名前
DNS ドメイン名に対応する情報を調べるためのしくみ
名前解決 名前から必要な情報を調べること
キャッシュ 以前に得た情報を一定期間保存し、再利用すること
  1. IPv4とIPv6のアドレスは、それぞれ何ビットか。
  2. https://www.example.com/news/ から、ドメイン名の部分だけを取り出そう。
  3. DNSの問い合わせが成功しても、Webページを受け取れない場合はあり得るか。通信の役割を分けて説明しよう。
問1の解答例を見る

IPv4は32ビット、IPv6は128ビットである。

問2の解答例を見る

www.example.com。このURLでは、httpsはスキーム、/news/はパスであり、ホスト名としてドメイン名www.example.comが使われている。

問3の解答例を見る

あり得る。DNSは名前に対応するアドレスなどを調べる仕組みであり、その後の通信経路、TLS接続、Webサーバの応答が正常であることまでは保証しない。