サブネット:IPネットワークを区切る
指導者向けの公開補足
学習本文に加えて、指導の視点・背景・授業での確かめ方を示します。どなたでも読めます。
指導の焦点
プレフィックス長を、アドレスのどこまでがネットワーク部分かを示すものとして扱う。単に末尾の数だけを暗記させない。
一歩踏み込んだ背景
利用可能な端末数を2ⁿ−2とする計算には、通常のIPv4サブネットを想定する等の条件がある。/31などの例外やIPv6へ無条件に当てはめない。
授業での確かめ方
架空のIPv4アドレスを二進数で並べ、共通する先頭部分を比較する。同一ネットワークかどうかと、実際に通信を許可する設定かは別と確認する。
制度・規格等は本文末尾の参考資料も確認してください。
この単元でできるようになること
Section titled “この単元でできるようになること”- IPv4アドレスのネットワーク部とホスト部を区別できる。
/24のネットワーク範囲を、ビット数から説明できる。- MACアドレス、IPアドレス、NATの役割を区別できる。
IPアドレスをネットワーク単位で読む
Section titled “IPアドレスをネットワーク単位で読む”IPv4アドレスは32ビットの値で、通常は8ビットごとの十進数をピリオドで区切って表記する。アドレスのうち、どこまでがネットワークを示し、残りがそのネットワーク内のインターフェースを区別するかは、プレフィックス長で表す。/24 なら左から24ビットがネットワーク部、残り8ビットがホスト部である。
198.51.100.77/24 は説明用に予約されたアドレスを使った例だ。末尾の77だけを見てネットワークを決めるのではなく、プレフィックス長を読む。この例では最初の24ビットが同じアドレスは同じ /24 ネットワークに属する。8ビットで表せる値は 0 から 255 までなので、この範囲には256個のアドレス表現がある。
| 項目 | /24 の例 |
|---|---|
| プレフィックス長 | 24ビット |
| ネットワーク部 | 先頭24ビット |
| ホスト部 | 残り8ビット |
| 表現できる末尾の値 | 0〜255 |
| ネットワークアドレス | 198.51.100.0 |
| ブロードキャストアドレス | 198.51.100.255 |
一般的なIPv4の /24 では、末尾が0のネットワークアドレスと、255のブロードキャストアドレスを通常のホスト割り当てに使わないため、残り254個がホスト用となる。ただし、全てのネットワークで同じ割り当て規則が当てはまるとは限らない。IPv4アドレスの扱いには用途や構成による例外があり、数だけを見て運用可能と断定しない。
MACアドレスとIPアドレス
Section titled “MACアドレスとIPアドレス”MACアドレスは、リンク層で同じネットワーク区間の通信相手を識別するために使われるアドレスの一種だ。IPアドレスは、IPネットワーク間の通信で宛先や送信元を表す。ルーターを越える転送では、リンクごとの送信先が次の区間に合わせて変わり、IPの宛先は最終的な相手を示すために使われる。
MACアドレスは世界中で常に変わらない機器の身分証、と単純化しすぎないことも大切だ。設定変更や仮想インターフェースなどによって、観察されるアドレスは変化しうる。IPアドレスも機器に永久固定されるとは限らず、ネットワーク上のインターフェースや設定、接続状況に応じて使われる。どちらも異なる層で使われるアドレスであり、同じ種類の番号ではない。
プライベートアドレスとNAT
Section titled “プライベートアドレスとNAT”IPv4には、組織内や家庭内で使うプライベートアドレスの範囲が定められている。これらのアドレスは、インターネット上で一意な宛先として通常そのまま経路広告されない。家庭内ネットワークでは、複数の端末がプライベートアドレスを使い、境界のルーターが外部との通信を中継する構成がよくある。
**NAT(Network Address Translation)**は、IPパケットのアドレスなどを変換する仕組みだ。家庭のルーターでは、複数端末の通信を外側のアドレスとポート番号に対応付ける方式が一般的に使われる。NATはアドレスを節約し、内部と外部のアドレスをつなぐ働きをするが、暗号化や利用者認証の代わりではない。また、プライベートアドレスを使えば自動的に安全になるとも限らない。
| 例示用のプライベート範囲 | アドレス数の規模 |
|---|---|
10.0.0.0/8 |
大きな範囲 |
172.16.0.0/12 |
中規模の範囲 |
192.168.0.0/16 |
小さな範囲 |
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| プレフィックス長 | IPアドレスのネットワーク部を示すビット数 |
| サブネット | IPネットワークを区切って構成したネットワーク |
| MACアドレス | リンク上の通信相手を識別するときに使うアドレス |
| プライベートアドレス | 内部ネットワークで使うために予約されたIPv4範囲 |
| NAT | IPパケットのアドレス情報などを変換する仕組み |
/24のIPv4アドレスで、ホスト部は何ビットか。198.51.100.77/24のネットワークアドレスを求め、どのビットが共通か説明しよう。- MACアドレスとIPアドレスは、どの通信範囲で使われる点が異なるか。
問1の解答例を見る
8ビット。IPv4は32ビットであり、ネットワーク部が24ビットなので、32−24=8ビットがホスト部となる。
問2の解答例を見る
198.51.100.0。/24では先頭24ビット、つまり198・51・100に相当する三つの部分がネットワーク部であり、残り8ビットを0にする。
問3の解答例を見る
MACアドレスは同じリンク内でフレームを届ける際に使われる。IPアドレスはネットワークを越えて宛先へパケットを届ける際に使われる。